2006年下半期

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2006.9.1(金)
新宿URGA                               東京都 森美樹様
”名も無い舞踏会”
出演・PHANTASMAGOLIA
   ・SWITCH BLADERS
   ・Rose de Refiucl et Guiggles
   +DJ 

『召しませ、暗黒』
「ロウズとギグルス」。インターネットmixiサイトで偶然名前えお知り、一枚の写真にすっか5り魅了された。中世ヨーロッパのも辛く貴族の館から出てきそうな府不不の肖像、ややセオピア、額縁はすすけた金。外観は一見よくあるゴシックなそれなのだが、内観からせまってくるものは、よくある、などという一言では片付けられなかった。

 血生臭いけれど、のぞいてみたい。悪夢だろうけれど、浸っていたい。
妖艶さというのは常に、こわいもの見たさの快感がつきまとう。
「これは久々にリアルなゴシック!!昨今のインスタントではない!」
と私は浮き足立った。その時点では彼ら「ロウズ(女性)とギグルス(男性)」というユニットが何を売り物としているのか、歌なのかパフォーマンスなのかダンスなのか劇なのか、わからなかったのだが、とにかく「見なければ」という衝動にかられたのである。
 9月1日。関西を活動の拠点としている「ロウズとギグルス」が関東にやってくるという。
はやる胸を押さえつつ、ひとりで参戦。

 新宿URGAのドアをあけると、なんと物販にロウズ様が。
バラ柄のドレス、肩でゆれる長い縦ロール。眠っていたビスクドールが息を吹き返したよう。ドキドキしつつ軽く挨拶をすると、まろやかな甘い声で「はじめまして。よろしくお願いします」と微笑み、握手と抱擁をお見舞いしてくださった。
瞬時にドキドキがクラクラに変わる。さらにロウズ様がギグルス様に手招きし私を紹介、白いブラウスに金髪がまぶしいギグルス様が、私に握手と抱擁、そして耳元で
「よろしくお願いします」とささやくではないか。
瞬時にクラクラがガクガクに変わる。
ここは中性か。フランスか。舞踏会か。コルセットを着用しなければいけなかったのか。
見ると、客も、Tシャツあり皮パンありドラッグクイーンありゴスロリありの、趣旨様々な格好をしてはいるが、顔つきは闇の舞踏会に来た貴族とかしているのである。

白刷りゴシックパンクなDJは80年代ゴスの曲を回し、1番目のファンタスマゴリアが終了、2番目のスウィッチブレーダーズのライブが開始。
 と、ロウズ様とギグルス様。フロアの真ん中でダンスをはじめるではないか。
 スウィッチブレーダーズのボーカルが、クラウス・ノミばり声量で朗々と歌っている。
若干オペラの感ありだが、全体的には骨格のしっかりしたロックだ。その曲に合わせて踊るロウズとギグルス様。ダンスではない。舞踏。あくまでまろやか。すごいのは、きちんとロックに合った舞踏だということ。バンドの雰囲気を壊さず、むしろ盛り上げる。
ギグルス様にいたっては、恥ずかしがる女性客の手を取りワルツを踊っている。
紳士の如くお辞儀wpし、次々にパートナーを変え、巧みな技術で女性客をうっとりと躍らせる。
やっぱりここはフランスだったのだ。舞踏会だったのだ。コルセットを着用しなければいけなかったのだ。しかもここだけ。
 今宵、この狭く暗い空間だけ。妖艶な悪夢の世界。

「すいません、私の手も取ってくださいませんか」と前に進もうとしたところで、ライブ終了。乙女心、消沈。
 ロウズ様とギグルス様にとっては、きっと「生き様」が「ゴシック」なのだろう。ステージは、地に足がついているそこここなのだ。演じる、歌う、興じる、ではなく、生きる事がゴシック。
 白塗りゴシックパンクなDJが、80年代ゴスからクラシカルなインストゥルメンタルに曲を移行する中、いよいよはじまる「ロウズとギグルス」のショーに身を焦がす。

暗幕が開いたとたんに、写メールの嵐、カメラマンのフラッシュ、DVDの光。

アンティーク家具や手書きの垂れ幕、壊れた額縁、芝居小屋のセットに囲まれ、全員白塗りという登場人物達。

 チェロやバイオリンを駆使したクラシック(スパイスにロック)に合わせての劇。台詞は一切なし。表現はパントマイム、舞踏。カウチに寝そべるロウズ様、紅茶を吐き出し、人形を振りかざす。ロウズ様を意のままにしようとするギグルス様、抱きしめ、殴り、蹴り、髪をひっぱり、引きずり回す。周囲を固めるのは、火吹き男、顔に包帯を巻きつけた痩せっぽちのバレリ−ナ、ドルマン、ひたすら食べ続ける食事男・・・・・・。
 
 ロウズ様とギグルス様以外、キワモノな登場人物達は好き勝手な動きをしているのだが、それはまやかしで、実は劇の統一感を巧みに作り上げているのである。

 劇中、囚われの身であろう悲しみを歌い上げるロウズ様。歌声はのびやかで、甘露の如くしみわたる。ステージを涙の波紋で満たす、どこか郷愁を誘うような、ノスタルジックな歌。片や、ギグルス様は激しく、しなやかに踊る。ステージの狭さを忘れさせるほど鮮やかに。そして視線で、仕草で、客を誘う。もっと、もっと暗黒へ。妖艶な悪夢へ。快感さを含む悪夢へ。

 心地よくぼんやりしていると、暗幕が降りていた。
 魂、戻ってきた?  と本気で思った自分に苦笑。いや、笑い事では済まされない。

 音楽あり、歌あり、劇あり、舞踏あり。ないのはルールだけ。
ただそこにふたりがいるだけで完成されてしまう「古くて新しい世界。」
 魅力というのは罪である。なんだかわからないまま、導かれるようにして、この世界に足を踏み入れてしまった私だが、やっぱりまだまだわからなくて、
わかりたくて、知りたくて、のまるで片思いのループだ。
 
 そしてそれは、決して居心地の悪いものではなく、いい酔い加減なのだった。


  森 美樹

岡山 HYS666様 
2006年9月2日東京ダークキャッスル

東京ダークキャッスル。。まさか舞台を拝見できるなんて!

ロウズさんに御挨拶に伺うのも緊張したのですが、
何より、黒い色調の衣装が多い中、長い煙管で喫煙中のロウズさんは
何時間眺めていても飽きないぐらいに一枚の絵のようでした。

闇の中発光しているようにも見えました。
ギグルスさんも素敵でしたが緊張で挨拶出来ず失礼いたしました。

話しかけた時の物腰も低く口調も優しく、声質は可愛く
胸がキュンとしました、真剣な感想。

舞台の感想は、急遽決定と言う環境に関わらず、
持ち時間、見た人全員が釘付けでした。

非現実的な絵の中の風景が狭いステージの目の前にあり
優雅で時間がゆっくり流れていってるかのような流れの中
突然の悲劇のような変動と悲鳴

余韻に浸り拍手出来ない者も多数いました。

唯一私が最初から最後まで下に下りて拝見した時間でした。

もっと、もっと拝見する機会を欲しいと思いました。

そんな素敵なロウズとギグルスのステージ。。。

例え見る機会が数年先でも先日の姿を胸に刻んで生きて行けます。

ヴィクトリアン・エロティック・バイオレンス・ホラー。

何者にも真似出来ない阿吽の呼吸あってこそのステージ。。。


余り巧く感想が伝えられないのですが、この辺で。


HYS666